耳鳴り
聴覚は外界の音(音波)を耳でとらえ、それを外耳-中耳-内耳と伝わり、さらにこれを脳にある聴覚中枢で認識するということによって成り立っています。この感覚が正常に働いていれば、様々な音を聞くことができ、また逆に音のないときには音のない静けさを感じます。外耳、中耳、内耳さらに聴覚中枢に至る聴覚経路に何らかの異常によって、周りで音がしていないのに音が聞こえてしまうことがあり、これを耳鳴といいます。一生のうちに、耳鳴りを経験しない人は皆無に等しい、といわれています。特に65歳以上の人の30%近くが耳鳴りの経験があるとの報告もあります。
医学は大きく進歩していますが、耳鳴の原因はいまだに不明です。しかし多くの場合、耳鳴を持つ耳は、同時に難聴も伴っています。従って耳鳴は、難聴を来すあらゆる疾患に伴って生じる可能性があると言うことができます。一般的に老人性難聴に伴った耳鳴は非常に多く、耳鳴を訴える高齢の患者さんの多くがこれによるものと考えられています。また慢性中耳炎、突発性難聴、メニエル病などのような難聴を伴う疾患に耳鳴が伴っていることもあります。その他脳腫瘍、脳硬塞、高血圧、ストレスに伴った耳鳴もあります。
耳鳴りの治療はその原因の多くが不明なため、試行錯誤的に行われているのが現状で決定的な治療法がないというこです。・内服薬:ビタミン剤、循環改善剤、ステロイド、抗てんかん剤、抗不安剤、筋弛緩(しかん)剤、抗うつ剤、漢方薬 ・中耳腔内局所薬剤注入療法:鼓膜に注射針を刺し入れて中耳腔に薬剤を注入する・耳鳴りマスカー:補聴器のような器械から雑音を発生させ耳鳴りのある耳に聞かせる・電気刺激自律訓練療法およびバイオフィードバック法:ストレス・筋肉の緊張をとることにより耳鳴りをコントロールする人によって治療法の効果が違いますから、根気よく試して、効果の上がる治療法を探していくことも大切ですね。
耳鳴りを感じたら、慢性・急性に限らず、まずは耳鼻科に行って専門医により聴覚に関する一連の検査を受けることが肝要です。耳鳴り症状の多くは、特別人体に異常が見つかるわけでもなく、命の危険性も少ないことが多いのが現状のようです。しかし、だからといって自己診断はいけません。中耳炎やメニエール病、そのほか危険な疾患の場合や悪性腫瘍などの原因が見つかる可能性も少なからずあります。
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